錠剤と葉

日本国内では性的に活発な若い世代の男女の間で、いくつかの種類の性感染症が流行しています。一番感染者数の多い性感染症は性器クラミジア感染症で、1年間で2万4千人以上の患者が報告されているほどです。性器クラミジア感染症の治療方法ですが、抗菌薬を投与して体内の病原菌を死滅させます。クラミジア菌に対して数種類の抗菌薬(抗生物質)が有効ですが、最も多く処方されている薬はジスロマック錠です。ジスロマック錠の有効成分はマクロライド系抗生物のアジスロマイシンで、これは体内に侵入した病原菌が細胞分裂を起こして増殖する働きを抑える作用があります。

ジスロマックが体内で細菌の増殖を抑えるメカニズムですが、病原菌の細胞が分裂するために必要なタンパク質の合成を阻止します。細胞の体を作るために必要不可欠なタンパク質の合成ができなくなった病原菌は増殖ができなくなり、人体の免疫細胞に攻撃されて死滅してしまいます。

ペニシリン系やセフェム系抗生物質は、細胞壁の材料のペプチドグリカンという多糖類の合成を阻止することで抗菌効果を発揮します。これらの抗生物質は、ペプチドグリカンで構成される細胞壁を持たない病原菌に対して抗菌効果を持ちません。ジスロマックはペニシリン系・セフェム系抗生物質とは作用メカニズムが異なっているため、多くの種類の病原菌に対して抗菌効果を発揮します。

ジスロマックの有効成分のアジスロマイシンは、服用後に体内で長時間にわたり血中濃度が維持されるという特徴があります。このため、最初に1回または3回服用するだけで7~10日間にわたり病原菌の増殖を阻止し続けてくれます。長期間にわたり毎日薬を飲み続けなくても抗菌効果を発揮することができるので、クラミジア菌のように細胞分裂(増殖)のペースが遅い病原菌の感染症にも効能があります。

病原菌のタンパク質の合成を阻止するジスロマック(アジスロマイシン錠)の効能は、多くの種類の細菌感染症に及びます。クラミジア感染症の他にも、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)・歯周病や歯周炎・細菌感染による肺炎や気管支炎などの病気の治療に効果があります。副鼻腔炎や歯周病に罹ると患部に炎症が起こるだけでなく、体の他の部分に病原菌が移動して全身に合併症を起こしたり、慢性疾患の原因になる恐れがあります。ジスロマックの効能を理解して正しく服用することで、細菌感染症が原因で起こる合併症や慢性的な病気に罹りやすい体質を改善することができます。

ジスロマック(アジスロマイシン)は腸内細菌に対する影響が少ないため、服用後に下痢などの消化器系の副作用が起こりにくいという特徴があります。これに加えて他の抗菌薬と比較してアレルギーが起こりにくくて、安全性が高いという利点もあります。ただし、副作用が起こる場合があるので注意が必要です。体質によっては、ジスロマックを飲むと激しい下痢の副作用が発症する場合があります。有効成分のアジスロマイシンの分子は腸の活動を活発にさせる消化管ホルモンと構造がよく似ているので、体が薬の成分をホルモンと誤認してしまうことで下痢を起こしてしまいます。下痢の症状は翌日に収まる場合がほとんどですが、未消化の状態で錠剤が排出されてしまうと抗菌効果を発揮することができません。下痢で錠剤が排出されないようにするために、空腹時に飲むようにしましょう。ジスロマック(アジスロマイシン錠)は日本で最もポピュラーな性病の性器クラミジア感染症や、人体に悪影響をもたらす多くの細菌感染症に対して高い治療効果を発揮する抗菌薬です。治療効果を発揮させるためには、薬の効能や副作用をきちんと理解した上で正しく服用することが大切です。